語源Q&A

語源を学んでいく過程で、でてきそうな疑問とその回答をまとめました。

Q. 英単語の語源は、漢字の部首のようなものでしょうか。

A. そうですね。英単語の語源は、漢字の部首に似ています。漢字ですと、たとえば「さんずい」が入っている漢字は水に関するものを表しやすいです。「海」、「港」、「滝」が該当します。

ただ、「さんずい」が入っていても、水に関するものだと直感的にはわからないものもあります。「法」や「漢」には「さんずい」が入っていますが、それぞれが「水」に関係しているとは、直感的にわからないと思います。

英単語においても、その語源が含まれているからといって、直感的にわかりやすくないものがあることには注意が必要です。

Q. 語源で効率よく学ぶにはどうすればよいでしょうか。

Gogengo! では効率よく学ぶ方法として 3 つご提案しています。

A. 1 つ目の方法は、データをもとに学ぶことです。語源には、よく出るものと、そうでないものがあります。よく出る語源を知ると、手っ取り早く全体像をとらえられそうです。よく出る語源は、「よく出る語源」ページにまとめてあります。

語源には意味が少ないものがあれば、意味が多いものもあります。たとえば語源 bi- の意味は「2 つの」であるので、意味の数が少ないです。かたや、語源 de- の意味は「離れる、下へ、否定、徹底的に、強意、外へ」であるので、意味の数が多いです。おそらく多くの人にとっては、意味が少ない語源のほうが覚えやすいのではないかと思います。

まとめると、「よく出る語源」のページを見て、順位が高く、かつ、意味が少ない語源から学ぶと、効率がよさそうに思います。

2 つ目の方法は、物語をもとに学ぶことです。物語は流れがあります。ひとつひとつを断片的に記憶するのではなく、物語の流れを記憶すると、効率がよさそうに思います。物語は「ねこさんの英単語の語源ものがたり」ページにあります。

3 つ目の方法は、英単語と語源を行き来して学ぶことです。Gogengo! には英単語と語源を行き来できるリンクがあります。たとえば company のページを開くと、company の語源である com、pan、y にリンクが貼られています。それぞれのリンクを飛ぶと、それぞれの語源のページに行けます。さらに、その語源のページから英単語のページに飛ぶことができます。そのように英単語と語源を行き来することで、これはどうなっているのだろうと気になったらすぐ確認できる仕組みをつくってあります。その仕組みで学ぶと、効率がよさそうに思います。

Q. 語源にはどんな種類がありますか。

A. 語源の種類の観点として 2 つご紹介します。

1 つ目の観点は、接頭辞・語根・接尾辞です。接頭辞は「英単語の先頭に出やすい語源」で、語根は「英単語の中心の意味になりやすい語源」で、接尾辞は「英単語の末尾に出やすい語源」です。それぞれの分類ごとのよく出る順は「よく出る語源」ページにまとめてあります。

2 つ目の観点は、生まれです。語源には生まれがあります。たとえば語源 anima の根っこは印欧祖語 *ane- だと考えられています。*ane- から生まれた言葉には、ラテン語 anima とギリシャ語 anemos があります。anima から生まれた英単語には animator や animal があり、anemos から生まれた英単語には anemone や anemometer があります。このことをまとめた図は「ねこさんの英単語の語源ものがたり」の animator のお話に掲載しています。語源を調べていると、英語はさまざまな外国語を取り込んだのだとわかります。この観点をもっと知りたい場合は、「系統樹説」や「波紋説」を調べてみてください。

Q. 複雑な語源はありますか。

A. あります。たとえば account、no の語源は複雑だと感じます。

まず account の語源は「計算する」です。「計算する」ことから「計算書をつくる」となり、「納得いくように説明する」、「原因・理由」、「評価する、価値を判断する」と複雑に派生したと考えられています。このことから、現代英語の account の意味は、「説明する、釈明する、報告、預金口座、収支計算書、価値があること」といったように、たくさんあります。

次に no の語源は、形容詞と副詞で異なります。形容詞の no の語源は ne (= not) + an (= one) から成る古英語 nan であり、副詞の no の語源は ne (= not) + a (ever) から成る古英語 na となります。ne は、形容詞と副詞で共通しています。このように、語源は品詞で異なる場合があるのです。

ほかにも複雑だと感じるのは、つづりが同じでも語源が異なる場合です。これに関しては「Q. つづりが同じでも異なる語源はありますか。」をご覧ください。

Q. つづりが同じでも異なる語源はありますか。

A. 稀にあります。たとえば「内へ」を意味する語源 in- と、「否定」を意味する語源 in- があります。前者の in- の語源は、印欧祖語 *en で、後者の in- の語源は印欧祖語 *ne だと考えられています。このように、つづりが同じ語源でも、語源の語源は別であったりします。

ほかの例は「似ている語源」の「つづり」ページにまとめてあります。

Q. どのように語源を調べて掲載していますか。

A. 基本的に、ひとつの単語につき、「参考資料」ページに掲載している辞書の 3、4 冊を調べて、総合的に判断して掲載しています。

語源は諸説あり、辞書によって解釈が異なる場合があります。たとえば英単語 devote の接頭辞 de- は辞書によって解釈が異なります。『Online Etymology Dictionary』では de- を「down = 下降」と解釈しています。『LEXICO』では de- を「formally = 儀式的に、正式に」と解釈しています。『英語語源辞典』では de- を「下降、分離、強意、悪化、除去、1 個以上の原子を除去して得られる分子を含む、非〜、〜由来の」のいずれかであると解釈しています。『英語語義語源辞典』では de- を「completely = 強意」と解釈しています。なお、『LEXICO』と『Online Etymology Dictionary』にアクセスして確認した日は 2022/2/23 です。

devote の語源を判断するにあたって、今回は語源で意味を解釈しやすい説を選ぶことを考え、Gogengo! では de- を「強意」と解釈しています。

Q. すべての英単語をかんぺきに語源で学べるのでしょうか。

A. いいえ。すべての英単語をかんぺきに語源で学ぶことはできません。

そもそも語源がよくわかっていない英単語があります。となると、その英単語は語源で学べないことになります。たとえば、「ヨーロッパ産のヒラメ」を意味する英単語 brill の語源はよくわかっていないようです。

book の語源は「書き残す」です。英単語 book の意味には「本、帳簿、予約する、帳簿に記載する」があります。それらの意味は、語源の「書き残す」から想像しやすいと思います。ところで英単語 book には「急ぐ」という意味があります。「急ぐ」は「書き残す」からは想像しづらい意味です。なぜ book が「急ぐ」意味をもつようになったかは、語源をもとにはわかっていないようです。

語源には複雑なものもあります。それに関しては「Q. 複雑な語源はありますか。」にまとめました。

英単語を覚えにくいと思ったら、語源を調べてみて、わかりやすいヒントがあれば運がよかったと感じるくらいで語源と向き合うのがちょうどよいように思えます。