第 11 話 語源を深堀りしてみよう

あかり
(部屋でテレビを見ながら) このアニメおもしろいわね。特に作画がいい感じね。
ねこさん
やあ。
あかり
あ。ねこさん。
ねこさん
アニメをつくる人のことをなんていうかわかる?
あかり
え。今いいところなんだけど。
ねこさん
いいからいいから。
あかり
えーっと。アニメをつくる人は「アニメーター」ね。
ねこさん
そうだね。アニメーターの英語のつづりは animator だよ。
あかり
ふむふむ。
ねこさん
animator の語源 anima は「魂」を意味して、or は「人」を意味するんだ。
あかり
そうなの。
ねこさん
アニメーターはまさに「絵に魂を込める人」なわけだ。
あかり
なんだか迫力のある言葉ね。
ねこさん
そうでしょう。さて。いままではやってこなかったのだけど、この語源 anima を深堀りしてみよう。
あかり
深堀りするの? なんだかよくわからないけど。
ねこさん
まあ見ててよ。さらさらと。
(※こちらの画像において、「ゲルマン祖語」となっている部分は間違いで、ただしくは「印欧祖語」です。たいへん失礼いたしました。)
あかり
じょうずに描くわね。
ねこさん
そうでしょう。
あかり
これはなんの絵なの?
ねこさん
語源 anima をおおざっぱに深堀りした絵だよ。
あかり
そうなのね。
ねこさん
どう?
あかり
矢印が書いてあるけど、語源 anima から animator が生まれたということね。
ねこさん
そういうこと。
あかり
語源 anima から矢印がもうひとつ出てるわね。
ねこさん
そう。語源 anima から生まれた英単語には animal もあるよ。
あかり
アニマルは「動物」のことね。
ねこさん
そのとおり。「動物」は「魂をさずかった生物」のことだ。
あかり
たしかにそうね。
ねこさん
語源 anima は「ラテン語」という言葉から来ているんだ。
あかり
ふ〜ん。聞いたことあるかも。この一番上の *ane- というのはなんなの?
ねこさん
ラテン語 anima の語源だよ。
あかり
え?
ねこさん
語源にも語源があることがあるんだ。
あかり
ひえー。そうなの。
ねこさん
ラテン語 anima の語源は、印欧祖語の *ane- だと考えられているよ。
あかり
インオーソゴのアネ?
ねこさん
印欧祖語は、大昔にあったと推測されてつくられた言語なんだ。
あかり
そうなのね。
ねこさん
印欧祖語 *ane- は「息を吸う」を意味するんだ。
あかり
息を吸う。
ねこさん
「息を吸う」と「魂」にはどんな関係があるのだろう。
あかり
ええと。「息を吸う」生きものには「魂」があるわけね。
ねこさん
そんな感じなのだろうね。その調子。その調子。
あかり
えへへ。
ねこさん
印欧祖語 *ane- から生まれた言葉には、ギリシャ語の anemos もあるよ。
あかり
アネモス。こんどはギリシャ語なのね。
ねこさん
ギリシャ語 anemos は「風」を意味するよ。
あかり
「息を吸って」出せば、「風」が生まれるわね。
ねこさん
そうそう。今日は調子がいいね。
あかり
ふふん。
ねこさん
ギリシャ語 anemos から生まれた英単語には anemone があるよ。
あかり
あ。「アネモネ」って花があったような。
ねこさん
そう。アネモネは花の一種だね。「風」が吹いているときに花が開くと考えられたんだ。
あかり
ロマンチックな由来ね。
ねこさん
ギリシャ語 anemos から生まれた英単語には anemometer もあるよ
あかり
アネモメーター?
ねこさん
anemometer は「風速計」を意味するよ。「風」の速さを測定する機器のことさ。空港とかに設置されていることがあるよ。くるくるまわるやつさ。
あかり
あっ。見たことあるかも。
ねこさん
というわけで、語源 anima を深堀りすると、こんなふうになるんだ。
あかり
英語は、ラテン語やギリシャ語とか、たくさんの言葉から生まれたのね。
ねこさん
そうなんだ。意味やつづりも、時代とともに移り変わっていったんだ。
あかり
ふ〜ん。なんだか英語は大きな連想ゲームみたいね。
ねこさん
そういうゲーム感覚で、英単語を学べるとたのしいかもね。
あかり
そうしていきたいわ。
ねこさん
ふだんはここまで深堀りする必要はないけど、奥にはそういう話がひそんでいるってことだね。
あかり
とても深いわね。これはこれでおもしろかったわ。

みちくさ

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お知らせ

【2022/11/07】英単語の掲載数が 4,500 語になりました。


【2022/08/23】英単語の掲載数が 4,450 語になりました。


【2022/03/13】4 月号からの『ラジオ英会話』で語源の漫画を連載させていただいています。また、「語源Q&A」ページを追加しました。

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